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Greeting from Gashu (2001)
はじめに gashu.org は、主としてぼくの音楽作品と手記から成ります。1997 年頃に、自身のウェブサイトを一時的に立ち上げたことがあります。その頃と現在を比べると、音声圧縮技術とインフラの発展、ユニコードを問題無く扱えるブラウザ、などの進んだ部分があり、今ならば以前考えたものに忠実な形で作ることが可能であると考えました。 正直なところ、1997 年頃は、”Web の可能性”と、アルビン・トフラーが「第 3 の波」で言うところの、”資本主義構造上の変化”というのを結び付けて、過信して期待していました。 しかし、 (恐らく) 1998 年以降に、Web がポピュラリティーを得ると比例して、これがよりテレビに近い形になった印象があります。多くの人にとって便利な媒体である、ということは歓迎すべき点もありますが、反面、利便性が第一に追求されて、結果的に既存の資本主義構造の中で利用されるもの、という位置付けに留まっています。 同時に、私的な実存上の矛盾を抱え始めたこと、エクスキューズを失ったことから、手段としての電子媒体から遠ざかることになりました。それから数年の間に、私的な矛盾が解決されたこと、電子媒体のポテンシャルを再認識したことにより新たにモチベーションを得て、再度これに向かうことにしました。 向かうべき場所 確かに、動画を使ったようなリッチなコンテンツは増えましたし、煌びやかな Web のデザインのフォーマットが確立されてきました。しかし、情報として価値があるもの自体の絶対的な量は恐らくあまり変わっていませんし、文化的に評価されるべきものというのも恐らく殆ど増えていないでしょう。ハードウェアとしての文明の発展と、ソフトウェアとしての文化の発展は必ずしも同義ではありません。 この流れを解いて次に進むための ’00 年代のキーワードとして、ぼくが挙げるものは、3 つあります。“オープンソース”、“プロシューム”、そして “イデオロギー” です。 それは何? オープンソース (Open Source) 「オープンソース (Open Source) 」とは、現在は主に情報技術の開発を、ネットワークで繋がった不特定多数で目的を共有し、行っている一連の活動を指します。誤解かも知れませんが、北欧やドイツなど、主にソシアライズされた国での活動が盛んであるような印象があります。 プロシューム (Prosume) 「プロシューム (Prosume) 」については、例えばプロシューマーと言った場合、Professional な Consumer と誤解されている場合がありますが、Produce する Consumer 即ち、「生産する消費者」を指します。自給自足社会とは、生産と消費が対峙するのでは*ない*という点において、差別化されます。すべての人間がプロシューマーで経済が成立した場合、見方によっては文字通りコミュニズムかも知れませんが、あくまで消費をするという点に於いては、資本主義の延長線上のあり方として捉えられるでしょう。 イデオロギー (Ideology) 「イデオロギー (Ideology) 」それ自体、そして異なるもの同士の共生は、20 世紀に解決されなかった大きな課題です。差異を認めた上で如何に共存出来るかという答えは、最終的には個人に帰依すると考えます。しかしそれを国家や社会、しいては共同体において如何に補完されるか、という仕組みが体現されていません。 流れるもの これらの言葉は、1980 年代の初頭頃から使い古されたものであるかも知れませんが、当時のユートピア的発想よりも現実的な手段として捉えられる現在に於いて、有効な何かしらの意義とエヴァンジェリズムをもって語られ得るものと考えます。 上記の 3…